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食品のサンプリングプロモーションとは?|ミツカン様実施事例から見る「団体」を巻き込む口コミマーケティング

食品のサンプリングのイメージ画像

ダイレクトにターゲットへ配り、その場での試食・試飲に繋がりやすい、食品のサンプリングプロモーション。受け取った人がSNSなどで口コミ拡散すれば、大きな話題になる可能性もあるため、新商品リリース時やリブランディング時などに実施されやすいプロモーション手法の1つです。

高い効果が見込める一方で、「どこで配れば効果的なのか?」「どんな手法があるのだろう」とイメージしにくいマーケティング担当者様もいることでしょう。

今回はそんな「食品」のサンプリングにフォーカスを当て、サンプリングの手法や実際の効果事例、弊社によくいただく食品サンプリングのQ&Aについて紹介します。
食品サンプリングを具体的に検討いただく際、事例やデータをぜひご活用くださいませ。

食品のサンプリングプロモーションとは?主な3つの手法を紹介

まず、食品のサンプリングプロモーションとは、食品や飲料を消費者(ユーザー)へ無償で配布し、試食・試飲してもらうことによって、商品理解を深め、購入意欲を促進させるプロモーションのことを指します。

特に食品や飲料は、実際に口にしてみないと商品の魅力を理解することが難しかったり、友だちに勧めにくかったりするものです。サンプリングをすれば実体験に基づく自然な口コミが発生しやすいため、新商品やまだ知名度の低い商品とは特に相性のよいプロモーションと言えるでしょう。

今回は食品サンプリングが行われることの多い3つの手法(配布場所)とメリット・デメリットを紹介します。

街頭サンプリング

メリット デメリット
  • ・駅や街中にいる不特定多数の人に配布可能
  • ・配布後の反応や表情が見えやすい
  • ・「駅(エリア)で何か配っている」ということ自体が話題喚起につながりやすい
  • ・冷蔵(冷凍)食品は管理に注意
  • ・チラシなどに比べてかさばるため配布効率は低い
  • ・配布後の詳細なアンケートはとりにくい
  • ・天候に左右される可能性がある

街頭サンプリングは、駅前や路上で配布する手法です。エナジードリンクのサンプリングなど、目を引く大規模なプロモーションを継続的に行っているメーカーもあるため、見かけたことがあるという方も多いでしょう。

不特定多数の人へリーチし、認知促進のうえSNS拡散などの話題喚起を狙っていきたい場合に最適な配布手法と言えるでしょう。

一方で、正確にターゲットを絞った配布や細かな事後調査は難しかったり、天候や気温によって配布効率に波があったりする可能性はあります。また、食品や飲料のサンプリングの場合は、配布中に傷んだり崩れたりしてしまうことのないよう、慎重な在庫管理が必要です。

施設でのサンプリング

メリット デメリット
  • ・特定の施設(ジムや病院など)に通う人へのターゲティングが可能
  • ・特定の商品購入者へのターゲティングが可能な場合もある
  • ・配布場所(薬局など)で商品が販売されていれば、すぐに購入につながる可能性がある
  • ・街頭サンプリングほど最大配布規模は大きくない
  • ・配布シーンを不特定多数が見ているわけではないため、拡散力は小さい
  • ・配布写真や詳細なアンケートはとりにくい

施設でのサンプリングは、スーパー、薬局、スポーツジム、病院、美容院など、特定の施設内で配布する手法です。「ルートサンプリング」と呼ばれる場合もあります。

施設によっては会員制の場所もあるので、「狭く深く」サンプリングでリーチするためには最適な配布手法と言えるでしょう。また、スーパーや薬局といった場所であれば、その場で購入を喚起できる可能性もあります。

しかし、配布場所が限定的であり、街頭サンプリングに比べて大々的に配布の様子が第三者から見えるわけでもないため、拡散力には欠けるかもしれません。場合によってはSNS投稿キャンペーンなど、その場に閉じないキャンペーンと組み合わせることも有効でしょう。

Webサンプリング

メリット デメリット
  • ・天候や時間、場所を問わず全国のターゲットへ告知が可能
  • ・登録情報などをもとに高精度なターゲティングがしやすい
  • ・Webページ上で商品告知ができる
  • ・SNSでのシェアを促しやすい
  • ・事後調査やアンケートは比較的容易
  • ・実際のサンプルを受け取っているシーンを見ることが難しい
  • ・街頭サンプリングよりリアルでのシェアはされにくく個人で完結しがち
  • ・人件費の代わりにページ制作や広告誘導、事務局運営費などのコストがかかる

Webサンプリングは、メディアなどのWebページ上でサンプリングキャンペーンを告知し、希望者を募って配布する手法です。

街頭サンプリング、施設でのサンプリングと比べて特にリーチ規模とターゲティング精度に強みをもちます。全国規模かつ特定のターゲットへ確実に配布を行いたい場合は最適な配布手法と言えるでしょう。また、応募フォームでメールアドレス等を取得すれば、配布後の事後アンケートや写真収集などもリアルサンプリングと比べて格段に集まりやすいです。

一方で、Webサンプリングの場合はリアルサンプリングのように実際に受け取っている様子や試食・試飲シーンがその場で見れるものではありません。また、「一緒に歩いていた友人と食べてみて感想を言いあう」といったリアルでのシェア・拡散はされにくく、あくまで個人で完結しがちです。

なお、弊社「らくらく連絡網」のメニューである「グループサンプリング」は、「試食・試飲シーンのイメージが湧かない」「リアルでのシェア・拡散力が弱い」という従来のWebサンプリングのネックを払拭する独自のサンプリングプロモーションです。
らくらく連絡網 グループサンプリング メニュー詳細はこちら

高精度なターゲティングで「らくらく連絡網」ユーザーへの大規模なWeb告知を行ったうえで、1チーム20人ほどの「団体」に対して一括で商品の配送を行います。商品を受け取ったリーダーは、メンバーに手渡しで商品を配布していきます。その場で開封し試食しながら感想を言いあうこともあります。

グループサンプリングなら、団体みんなで食べてみた・飲んでみたシーンの写真回収や、詳細な事後アンケート取得、SNS拡散の呼びかけまで一貫して事務局で対応できるため、「ユーザーの顔が見えるサンプリングプロモーション」として食品メーカー様を中心にご評価いただいています。

グループサンプリングと他サンプリング手法との比較表
参照:2023年最新版!“クチコミマーケティング”の効果と課題

今回はそんなWeb上での食品サンプリング手法の1つ「らくらく連絡網グループサンプリング」を実際にご活用いただいた企業様で、どのようなデータや声を収集したのか、詳細事例を紹介していきます。

ミツカン様「グループサンプリング」実施事例【アンケート結果公開】

大手食品メーカーであるMizkan Holdings様では、ご飯にふりかけて簡単におむすびが作れる「おむすび山」という商品のグループサンプリングを実施いただきました。

なお、シンプルに配布するだけでなく、受け取ったユーザーは「#OnigiriAction」というハッシュタグをつけてSNS投稿することを条件としており、SNS拡散も目的とした展開となりました。詳細は事例ページをぜひご覧ください。

Mizkan Holdings様[ソリューション事例]詳細
Mizkan Holdings様[クリエイティブ事例]詳細

本記事では配布後に行った事後アンケートにて、実際に受け取った団体が答えた詳細なデータやユーザーの声を紹介します。

アンケート結果①商品に対する認知度調査

Q.今回のキャンペーンに参加される前から、「おむすび山」をご存知でしたか?
おむすび山の認知度調査グラフ
Q.「おむすび山」のおいしさについて教えてください。
おむすび山のおいしさに関するグラフ
Q.「おむすび山」を今後買ってみたいと思いますか?
おむすび山の購入意向グラフ

まず今回の商品である「おむすび山」についての認知度や印象、意向を調査しました。結果、もともと「おむすび山」を知っていて、買ったことがあると答えた団体が約9割にのぼりました。

今回配布した対象は「らくらく連絡網に所属するボランティア経験のある団体」でしたが、らくらく連絡網全体として「小中学生の子どもをもつママ・主婦」の割合が高いことから、普段からおむすびを子どもに握る機会があり、「おむすび山」を認知している層だったことがうかがえます。

アンケート結果②キャンペーンに対する認知度調

  • Q.「おにぎりアクション」は、2015年から毎年開催されています。この試みについて、知っていましたか?(※A)
    おにぎりアクションの認知度グラフ
  • Q.「おにぎりアクション」は何で知りましたか?(※Aで「参加したことがある」「知っていたが参加したことはない」を選択)
    おにぎりアクションの認知場所グラフ
  • Q.この画像は、「むすぼう!のぼろう!おむすび山」の特設ページです。このページをご覧になったことはありますか?
    おむすび山特設ページの認知度グラフ
  • Q.今回のキャンペーンはTwitter又はInstagramに写真を投稿していただくキャンペーンです。あなたはどちらで投稿しましたか?
    SNS投稿媒体に関するグラフ

続いて、今回の目的の1つでもある「おにぎりアクション」というSNS投稿キャンペーン・取り組みについての調査です。
おにぎりアクションとは

「おむすび山」の認知度がほぼ100%だった一方で、「おにぎりアクション」の認知度は20%弱に留まり、参加したことがある団体は10%弱となりました。

また、参加経験のある団体が「おにぎりアクション」を知ったきっかけは大半がSNSでした。今回はSNS投稿をマスト条件としていたため、「らくらく連絡網」に閉じず拡散されたことで新たな認知が広まり、参加者の輪も広がっていくと考えられます。

アンケート結果③ユーザーの声・SNS投稿例

今回のキャンペーンについて、ご意見・ご感想をお聞かせください。
ユーザーの声
SNS投稿例

「らくらく連絡網グループサンプリング」が食品メーカー様を中心にご評価いただける最大の特徴といえるのが、充実したユーザーの声やSNS投稿キャプチャ、試食・試飲写真の提供です。

「おむすび山」サンプリングに限らず、任意回答でフリーアンサー項目を設けると、ぎっしりとしたボリュームで丁寧に感想を回答する団体が多く見受けられます。なかにはその商品への思い入れを伝える団体や、新フレーバーのリクエストや提案をするような団体もありました。

また、任意提供となる写真は「チームメンバーみんなで」試食・試飲しているシーンを撮影してくれる団体もあります。Webサンプリングだとどうしても、個人で手元に届いた商品を撮影する程度に留まってしまいがちですが、グループサンプリングはそのようなWebサンプリングにありがちなネックを払拭します。

定量的なデータ収取はもちろんのこと、定性的なデータとしてここまで受け取った人の声や様子を解像度高く知ることができるサンプリングは限られています。特に食品メーカー様は「配るだけ」ではなく、サンプリングによってユーザーとのコミュニケーションを深めていくことを重視されていることが多いため、ユーザーを深く知るための方法として重宝いただいています。

団体へのサンプリングで口コミ効果・購入意向UPを実感いただいた事例

ここまでミツカン様を例に詳細事例を紹介していきましたが、もちろん事例は1社のみではありません。また、「認知度や意向の調査ができるのは分かったけれど、結局口コミや購買につながらないと意味がない」と思うマーケティング担当者様もいらっしゃることでしょう。

そこでここからは、ミツカン様以外の口コミ効果・購入意向UP事例を紹介します。

サンプリングを受け取った7割以上が口コミを発信

飲料品のサンプリング後口コミ調査グラフ
参照:らくらく連絡網グループサンプリング 特設ページ

ミツカン様のサンプリングではSNS投稿がマスト条件だったため、100%の団体がSNSでの拡散を行った結果でしたが、他社の飲料サンプリングにて、投稿や口コミが必須でない場合でも、7割以上が家族/友人といった身近な人への口コミを行った結果となりました。

信用できるクチコミに関するグラフ
参照:2023年最新版!“クチコミマーケティング”の効果と課題

人は家族や友人といった信頼できる身近な人からの口コミを信用しやすいものです。

グループサンプリングの配布はスポーツチームなどの団体が集まるタイミングに、リーダーからメンバーへ手渡しで行われます。その場でも友人や親(子ども)と感想をシェアしやすい環境になっているため、「信用できる口コミ」が自然発生するサンプリングと言えるでしょう。

サンプリング直後から1年半後まで購入意向が上昇

サンプリング実施後の購入率に関するグラフ

こちらは栄養ドリンクのサンプリングにおいて、配布直後から1年半後まで定点観測でアンケートを行った事例です。

サンプリングを受け取ったユーザーへ購入の有無と購入意向を調査したところ、配布直後が最も購入意向が高く、実購入は1年半後まで上昇し続ける結果となりました。最終的には44.2%が「購入した」と回答し、半数弱のユーザーが認知から購入まで検討フェーズを引き上げられたかたちとなります。

もちろんTVCMやWeb広告など、他のプロモーション施策との複合的な効果でもありますが、実際に商品に触れ「食べた/飲んだ/使った」という経験が、強い実体験として購入を後押ししていると考えられます。

食品サンプリングにまつわるQ&A

ここまで、アンケート結果を中心に実施事例を紹介していきました。弊社施策「らくらく連絡網グループサンプリング」は独自性が高いこともあり、「なかなかイメージがつかない」「こういう場合はどうなるのか」と疑問を感じるマーケティング担当者様もいらっしゃるでしょう。

そこでここからはよくお問い合わせいただくご質問をQ&A集として紹介します。食品サンプリングならではの観点も多いので、ぜひご検討時に活用くださいませ。

Q.賞味期限の短い食品でも配布することはできますか?

A.可能です
過去には生クリームや牛乳といった足の早い食品も、トラブルなく安全に配布した実績がございます。また、冷蔵食品をまとめて届けるため、冷蔵庫は空きを作っておいてもらうよう、受け取り側の団体リーダーへも事前アナウンスをしています。

安全に配布を行うため、場合によってはエリアや募集期間を限定させていただくことなどはございます。詳細を事前にご相談させていただけましたら幸いです。

なお、特に牛乳はファミリー層の生活に直結するものだったため、限られた期間でも応募が殺到する大人気のサンプリングとなりました。

  • 生クリームサンプリング事例
  • 牛乳サンプリング事例

Q.実際の試食・試飲シーンの写真提供は可能ですか?

A.可能です
配布団体から試食・試飲シーンの写真を収集し、報告書提出時に合わせて提供させていただいております。

団体へはあくまで任意と伝えているものの、丁寧にメッセージや感想を添えて送付してもらえることも多く、らくらく連絡網団体・ユーザー自身がグループサンプリングを楽しみ、積極的に活動している様子がうかがえます。

Q.配布物を使って団体内で食事会(パーティー)を開いてもらうことは可能ですか?

A.可能です
コロナ禍においては大人数での食事会が難しい時期ではありましたが、過去には団体メンバーでホームパーティーを開いてもらうことを前提に、切り分け前のハム1本(1.5㎏)をそのまま団体へ配布した事例もありました。

この事例では「ママ友のホームパーティー」をテーマに「モニター」として団体を募集し、30団体の協力を得ることができました。モニターとして、SNS投稿や事後アンケートで商品レビューすることを条件に募集したため、多くのママからパーティーを楽しむ様子が発信されました。

ハムサンプリング事例
参照:らくらく連絡網グループサンプリング 特設ページ

Q.配布対象団体の指定やスクリーニングはできますか?

A.可能です
スクリーニングは2つの方法で行います。

1つ目は「らくらく連絡網」に登録されている団体情報を活用する方法です。「らくらく連絡網」はユーザー個人の生年月日や性別、居住地から、どの団体に所属しているか、団体の細かなジャンルまで、詳細な登録情報を保有しています。

  • らくらく連絡網セグメント一覧
  • らくらく連絡網セグメント一覧
  • 参照:らくらく連絡網アドガイド

こちらをもとに、告知の時点で対象を絞り込むことができるため、明らかに非対象の団体は除外のうえ、効率的なアプローチが可能です。

一方で、上記の登録情報にない項目でスクリーニングのご要望をいただくこともございます。例えば、「ボランティア経験をしたことがあるか(経験の有無)」「ビールは好きか(趣味趣向)」などです。その場合は2つ目の方法として、応募フォームでのスクリーニングを行います。応募フォームに~3問程度のスクリーニング用設問を設けることによって、特定の回答をした団体のみ、配布対象とすることも可能です。

事例に挙げたミツカン様では、「ボランティア団体」だけではなく「ボランティア経験のある団体」も対象であったため、告知は全体に行いつつ、応募フォームでスクリーニングをしていました。

Q.Web以外でのサンプリング依頼はできますか?

A.可能です
弊社では学校の校門前や街頭でのサンプリングも承っております。ピンポイントに「○○小学校付近で」など、配布対象が狭域で定まっている場合や、チラシやティッシュなどの販促物を配布したい場合は、リアルのサンプリングが適しているかもしれません。

食品サンプリングにおいては前述の通り「グループサンプリング」での配布がおすすめではありますが、オンライン/オフライン問わずご相談くださいませ。
オフライン 校門前・街頭サンプリング メニュー詳細はこちら

食品サンプリングで「ユーザーの顔が見える」プロモーションを実現

今回は一般的な配布手法から弊社独自の「グループサンプリング」まで、食品サンプリングのやり方や実施事例を紹介していきました。

食品の認知度や口コミを広げていくには、「実際に食べてもらう」のが一番の近道です。加えて、「配って終わり」のサンプリングプロモーションにしないためには、事後アンケート調査や試食写真・感想の収集など、実施後のフィードバックが手厚い会社を選ぶとよいでしょう。

「らくらく連絡網ママ・主婦ターゲティングプラットフォーム」では、「グループサンプリング」をはじめとした食品/飲料メーカー様向けのプロモーションを得意としております。食品のサンプリングやプロモーションでお悩みの際は、お気軽にお問い合わせくださいませ。
らくらく連絡網 グループサンプリング メニュー詳細はこちら