「家庭の財布を握る」ともいわれ、ファミリー層をアプローチする際に外せないターゲットである「主婦(夫)層」。
従来から新聞広告やチラシ、ポスティングなど数多くの広告手法でアプローチされてきた主婦層ですが、最近ではSNSのマーケティングやプロモーションで、主婦・ママに効率的にリーチしたいと考える企業も増加しています。
「SNSなら効率的なアプローチができそう」とイメージされやすい一方で、
「主婦・ママの利用率が高いSNSは?」
「主婦・ママはどんなメディアの広告に関心をもつのか?」
「SNS広告は実際どのくらいの主婦・ママにクリックされているのか?」
など、主婦・ママ向けのSNSアプローチを始めるにあたり気になっているマーケティング担当者さまも多いことでしょう。
そこで今回は、主婦・ママユーザーを数多く抱える弊社イオレが、自社サービス「らくらく連絡網」にて行った「主婦層のSNS利用に関するアンケート調査」をもとに、主婦・ママ層におけるSNS利用のトレンドや、効率的なアプローチ手法について、解説していきます。
主婦・ママのSNS利用状況
前項にて、忙しい主婦・ママでも日常的にSNSを利用していることが分かりました。
では、LINEやInstagram、TwitterなどあらゆるSNSがあるなかで、各種SNSの利用率や利用頻度はどの程度なのでしょうか。また、主婦・ママが1日のなかでSNSをよく使う時間帯やタイミングはあるのでしょうか。
調査データをもとに2022年最新の主婦・ママ動向を探ります。
各SNS別の利用率
主婦・ママの媒体別SNSの利用率は、LINEが約96%、YouTubeが約69%、Instagramが約57%の順で高い結果となりました。
やはりLINEは圧倒的な利用率となっています。家族やママ友、PTAや仕事仲間との日常的な連絡には欠かせない、生活インフラといっても過言ではないでしょう。
YouTubeは動画メディアの側面が強いSNSですが、約7割の主婦・ママが利用する結果となりました。最近は乳児や幼児向けの動画を子どもに見せ、育児に活用している主婦・ママも増加しているようですので、「親のアカウントで子どもが見ている」ということも考えられるでしょう。
Instagramは「若者向けのSNS」と言われることもありますが、主婦・ママ層でも半数以上が利用していることが分かりました。料理や掃除、お得な「ポイ活」、家庭でもできる副業など、主婦・ママ向けのハウツー系コンテンツを発信するアカウントも数多く存在しますので、スキマ時間で効率的に情報をキャッチアップしていると考えられます。
加えて上記のグラフでは、2020年に行った同様の調査との結果を比較しています。結果は2022年のほうがすべてのSNSにおいて数値を伸ばしており、特にYouTube、Instagram、Twitterは10ポイント以上も伸⻑しています。特にInstagramの増加率は14.8ポイントと大きいほか、TwitterがFacebookを上回る利用率となりました。
2年間のあいだでも利用率は大きく変動・伸長したため、今後も主婦・ママに利用されやすいSNSのトレンドは変化していくことが考えられます。InstagramやTikTokなど、若者向けと思われている媒体であっても主婦・ママ利用者の増加が見込めるでしょう。
マーケティングやプロモーションにおいても決め打ちで1媒体に絞るのではなく、主婦・ママのニーズの多様化に応えられるよう、利用シーンや特性にあわせて、あらゆる媒体で多面的にアプローチすることが有効です。
各SNS別の利用頻度
主婦・ママの媒体別SNSの利用頻度は、LINEで約88%、Instagramで約34%、YouTubeで30%が「ほぼ毎日」利用する結果となりました。
媒体別に大きく差がついた結果となったものの、やはり利用率が高かったLINE、Instagram、YouTubeは利用頻度も伴って高いことが分かります。
利用頻度の高さは、広告配信を行った際の表示機会の多さに直結します。そのためより多くの主婦・ママにリーチしたいと考える場合は、LINEやInstagram、YouTubeを中心にアプローチ媒体の選定をするとよいでしょう。
「利用頻度が高い」という同様の理由から、「Google広告」や、日本最大級のニュースアプリ「SmartNews」での主婦・ママ向け広告配信もおすすめです。
SNSを利用する時間帯やタイミング
主婦・ママがSNSを利用する時間帯は、21~24時が約47%、18~24時の合計で約71%と、夜に集中する結果となりました。
家事や育児、仕事に忙しい主婦・ママが、ゆっくり一人の時間を取れるのは夕方から夜にかけてのタイミングとなるようです。
加えて2020年に行った同様のアンケートでは、「SNSを利用するタイミング」をシーン別に調査しています。
その際は、家事・育児・仕事の合間が約80%、就寝前が次いで約66%という結果となりました。(複数回答)
「SNSを最も利用する時間帯」としては夕方~夜に集中するものの、ママ友や家族から来たLINEに都度返信をしたり、仕事の合間にInstagramを閲覧したりと、日中のスキマ時間にもSNSを高頻度で使用していると推測できますね。
じっくり見てもらう必要のある画像や動画は夕方以降に投稿したほうが効果的な可能性がありますが、まず「知っている、よく見る企業・サービス」として認知してもらうためには、日常的に主婦・ママの目に触れるよう、日中のスキマ時間も含めてアプローチするのが効果的といえるでしょう。
主婦・ママがよく使うSNS内のコンテンツ
SNSのなかでも主婦・ママの利用率、利用頻度も特に高い、LINEとInstagram。どちらも複数のコンテンツがありますが、主婦・ママはどのコンテンツをよく使っているのでしょうか。
LINEの場合
主婦・ママがよく使うLINE内のコンテンツは「トーク」が約97%と、圧倒的に利用されている結果となりました。
現代では欠かせない連絡手段の一つとなったトークの利用率は主婦・ママ層に限らず全世代で非常に高いと推測されます。
次いで高い利用率となったのはLINE NEWSで約45%でした。半数近い主婦・ママが利用するLINE NEWSは、あらゆるニュースアプリやサイトがあるなかでも、「よく見るニュースツール」として主婦・ママに定着していると考えられるでしょう。
ちなみにLINEの広告配信では、利用率の高いトーク面の上部や、LINE NEWS内のほか、LINEポイントやLINEマンガ、LINEウォレットといった関連サービスなどに掲出が可能です。
LINEは各関連サービスの利用者規模も非常に大きいため、これらのサービスも含めた複数の広告面に一括して出稿可能なLINE広告は、ターゲットとの接触頻度が高く、最大級のリーチがとれるSNS広告として注目されています。
Instagramの場合
主婦・ママがよく使うInstagram内のコンテンツは「タイムライン」が約83%と、最も多い結果となりました。
タイムラインはフォロワーによる日々の出来事の投稿はもちろん、インフルエンサーや企業アカウントがオフィシャルな情報発信を行う場としても活用されています。
また、タイムラインはストーリーズのように一定時間で画面がスキップされることなく、じっくりと眺めることができる点が特徴です。
そのため、画像内に情報量を盛り込んだり、複数枚の画像でポイントを伝えたりして、家事や育児のお役立ち情報をタイムラインにて発信するアカウントも多く見受けられます。
主婦・ママは情報収集を目的としてInstagramを開くことが多いと考えられることからも、情報発信中心であるタイムラインの利用率の高さは当然の結果ともいえるでしょう。
一方でストーリーズも6割程度の主婦・ママ層が活用している結果となりました(2020年の同様の調査時は52.9%)。今後、Instagramの利用率の上昇にともない、ストーリーズやその他のコンテンツも、より主婦・ママへ浸透、定着していくと考えられます
なお、Instagram広告では、主婦・ママの利用率が高いタイムライン・ストーリーズでの配信が可能です。
主婦・ママが情報収集を目的としてじっくり見ているため、広告も読み込んでもらいやすいタイムライン。スマホ画面いっぱいに画像が表示される画面占有率の高さから、アクションにつながりやすいストーリーズ。それぞれの強みがあるため、まずはどちらの配信も行って効果検証してみましょう。
主婦・ママの広告に対する関心度を調査
ここまで、主婦・ママはスマホやSNSを高頻度で利用していることを紹介しましたが、「はたしてSNSで主婦・ママに向けてプロモーションを行うことは本当に効果的なのか」、気になっているマーケティング担当者さまも多いことでしょう。
本アンケートでは、主婦・ママの広告に対する関心度や、SNS広告に対するアクションについても調査しています。
2022年最新の主婦・ママ動向を知り、マーケティングやプロモーションに有効活用していきましょう。
メディア別の広告関心度
主婦・ママがよく目にする広告メディアは、テレビ・SNSが約83%となり、僅差でトップに並びました。Web広告のなかでも、SNS広告はテレビと並ぶほど、主婦・ママからの認知度が高い広告メディアであることが分かります。
また、同様の調査を行った2020年との比較をすると、広告メディアとしての認知度が上昇したのはSNS、その他Webサイトだったのに対して、認知度が下降したのはテレビ、新聞・チラシ、街頭広告、雑誌となっています。
「若者のテレビ離れ」といったキーワードは言われ始めて久しいですが、主婦・ママ層においてもテレビ、新聞などの「マスメディア離れ」は顕著に進行していると考えられます。
一方、主婦・ママはSNSやWebの広告を見る頻度が増加しており、今後もマスメディアからスマホ(SNSやWeb)へユーザーの移行は続いていくことでしょう。
また、チラシや街頭広告、雑誌のポイントも減少していることから、オフライン広告での主婦・ママ向けアプローチも今後だんだんと効果が鈍くなっていく可能性が考えられます。
ま「主婦・ママへのアプローチといえばチラシやポスティング」と、オフライン広告中心にプロモーションを実施している企業もありますが、今後の主婦・ママ動向を鑑みると、少しずつSNS・Webアプローチへの移行を検討していった方がよいかもしれません。
主婦・ママがよく使う検索媒体
主婦・ママがよく使う検索媒体は、Googleなどの検索エンジンが約97%と圧倒的な一方で、約30%はSNSでの検索を行っていることが分かりました。
Google、Yahoo!などの検索エンジンは調べ物をするときのツールとして浸透していて、現在も主流となっているようです。
SNSでの検索行動はこれまで「若者の新たな検索行動スタイル」として注目されていました。「タグる(ハッシュタグでSNS内の検索をかける)」といった言葉も生まれています。
しかし、今回のアンケートでは主婦・ママの約4人に1人以上が「検索時にSNSをよく利用する」結果に。主婦・ママ層においても「検索ツールとしてのSNS」が浸透しはじめてきており、今後も無視できないボリュームになっていくことが予想されるでしょう。
「SNSで発見・認知し、検索エンジンで公式サイトを見ながら、SNSでも口コミなどを確認する」といった行動をとる主婦・ママも多いと考えられます。
初期接触や認知促進には各種SNS広告、Googleなどでの検索ニーズにはリスティング広告、SNSでの検索ニーズには各種SNS広告、といったかたちでニーズや目的に応じたオンライン広告を検討しましょう。
SNS広告をクリックした経験
SNS広告をクリックした経験のある主婦・ママは合計約80%にのぼり、SNS内の広告をクリックすることに抵抗がない人が多いことが分かります。
広告にネガティブな印象をもったり、広告ブロッカーをいれたりする人もいる昨今ではあるものの、一般的な主婦・ママの大半は広告に対してポジティブに反応していると考えられます。
かつ、クリックしたユーザーのうち半数弱はそのサービスの利用まで至った経験があることから、SNS広告はリーチの最大化や認知促進だけでなく、アクションの喚起や成果獲得にも活用できる手法といえるでしょう。
一方、クリックしたユーザーの半数強はそのサービスの利用に至っていません。これは、「クリックしたものの興味がない内容だった」「広告とサービスのイメージが違った」などの要因が考えられます。これらの課題の解決方法について、次項にて紹介します。
主婦・ママへの効率的なマーケティング・集客手法とは?
ここまで「主婦のSNS利用に関するアンケート調査2022」の結果を中心に、主婦・ママのSNS利用について最新の動向を見ていきました。
改めて、主婦・ママへの効果的なマーケティング・集客手法として紹介しましたSNS広告にはどんな特徴があり、なにが課題なのか、その解決方法についても紹介します。
利用率や頻度の高さから注目されるSNS広告と、その課題
主婦・ママへの効果的なマーケティング・集客手法として、SNS広告をおすすめする理由は以下です。
- 9割以上の主婦・ママが利用するLINEをはじめ、SNSは利用率が高く、今後も年々上昇が見込めるため
- SNSはほぼ毎日利用されており、家事や育児のスキマ時間に高頻度で広告を見てもらえる可能性が高いため
- テレビ等マスメディアの広告関心度が年々低下するなか、SNSやWebの広告関心度は上昇しているため
- 主婦・ママの8割がSNS広告をクリックした経験があり、うち半数弱がサービス利用にまでつながっているため
加えて、テレビなどの広告と比較して数値計測を行いやすいことや、クリエイティブのABテストも容易であること、各SNSの機械学習によってクリエイティブごとに最適な配信面や配信量が自動調整されることなども挙げられるでしょう。
一方で前項では、「SNS広告をクリックしたユーザーの半数強はそのサービスの利用に至っていない」という課題も見えてきました。
サービスの利用に至らない理由として、そもそも対象にしたいターゲットに届いていないこと、クリックした広告と遷移先の内容にギャップがあることなどが考えられます。以下にて詳細を記載します。
課題① 対象にしたいターゲットに届いていない
SNS広告に「ターゲティング」の機能はあるものの、精度は各SNSが取得している情報量などに依存します。
たとえば、Facebookでは登録時に細かな個人情報(年齢や居住地、出身校や勤務先など)を入力しているユーザーも多いですが、LINEは電話番号のみで登録が可能です。
よって、LINEは広告配信をする際、「LINE関連サービス内でどんな行動をとっているか」「どんな公式アカウントと友だちか」「どんなスタンプを買っているか」などをもとに、ユーザーの属性を類推し、ターゲティングを行います。
LINEの「行動履歴に基づくみなしのターゲティング」は膨大なデータに基づきAIが判定しているものの、個人情報をもとにしたターゲティングと比較して、精度の面に課題があると従来から言われていました。
その他SNSも取得している個人情報には限界があるため、ターゲティングの大半は行動履歴をもとに行われているものです。
行動履歴によるターゲティングでは、どうしてもターゲット外のユーザーに広告が露出されてしまうこともあり、クリックしたユーザーの満足度が低くなっている可能性があると考えられます。
課題② クリックした広告と遷移先ページの内容にギャップがある
SNS広告はクリックすると、設定したページに遷移するパターンの広告が大半です。
広告バナーの色合いや雰囲気(トーン&マナー)、訴求内容などと大きく異なる遷移先ページはユーザーに違和感や不信感を与えるおそれがあります。
ユーザーが感じるギャップを可能な限りなくすために、「遷移先ページにあわせて広告バナーを制作する」「広告バナーにあわせて遷移先ページを制作する」などの調整ができるとよいでしょう。
また、「小学生にぴったり」「6年生までに」などターゲットを明確にする文言を加えることで、対象者がクリックしやすくなり、非対象者がクリックしにくくなる傾向があります。
SNS広告の課題を解決!独自の配信サービス「pinpoint」とは?
主婦・ママへのマーケティング・集客手法として、SNS広告が有効であるものの、一部課題もあることが分かりました。
ここでは最後に、課題を解決し効果的なプロモーションを行うための手法として、弊社イオレの「pinpoint」というSNS広告配信サービスを紹介します。
「pinpoint」とは、2000万人以上のユーザーデータを活用した広告配信サービスです。
そのユーザーデータの最大の特徴は「すべてユーザーの手によって入力された登録情報であること」。
イオレが自社運営する連絡網サービス「らくらく連絡網」や、凸版印刷社のチラシアプリ「Shufoo!」、その他提携パートナーのデータも含め、「属性が明らかな登録情報であること」をコンセプトにデータ収集した、大規模なプラットフォームとなっています。
- 弊社や提携パートナーは各サービスにおける会員登録時の規約にて、「登録情報を広告活用すること」のユーザー合意を得たうえで利用させていただいております。
【らくらく連絡網の登録情報一覧】
属性が明らかな2,000万人のデータは、いずれも各種SNS広告やGoogleなどのWeb広告配信時に活用可能です。精度に課題があったLINE広告でももちろん連携可能なため、配信面はLINEでありながら、通常では成しえない精緻なターゲティングでの広告配信を実現します。
【設定可能な主婦・ママ向けターゲティング例】
- 中学生の子をもつ母親
- 小学3年生~6年生の子をもつ両親
- 少年野球チームに属する子をもつ両親
- ドラッグストアA店から周囲3キロを生活行動圏にもつ主婦
配信精度が高まると、訴求サービスと配信対象者のマッチ度も高まるため、広告クリック率のみならず、成果率もアップした事例も数多くございます。
【主婦・ママ向け広告実績】
- 参照:主婦のSNS利用に関するアンケート調査2022
また、イオレでは自社で運用や制作の専門チームを抱えているため、
広告配信における媒体選定・配信設計・広告運用・クリエイティブ制作まで、ワンストップで提供することが可能です。
イオレ独自のターゲティング配信を行ううえで、どんなバナーやLPが最適か、企業さまの状況やご都合にあわせて提案可能なため、あわせてお任せいただくことで「広告と遷移先ページのギャップ」も軽減することが可能です。
例)「pinpoint」独自の学年別ターゲティングにあわせて、学年別のクリエイティブも制作
- 参照:主婦のSNS利用に関するアンケート調査2022
SNS広告の課題を解決する、イオレ独自のサービス「pinpoint」。
ご興味をお持ちいただいた方はこちらよりお気軽にお問い合わせください。
主婦・ママへのマーケティングアプローチを見直そう
この記事では、主婦・ママのSNS利用率や利用頻度、広告関心度などのデータをもとに、効率的なマーケティング・集客手法の一つとしてのSNS広告を紹介しました。
「動向が変わりやすいZ世代へのマーケティングは試行錯誤しているけれど、主婦・ママ層へのマーケティングは変えていなかった」という担当者さまもいるかもしれません。
「とりあえずマス広告やチラシ」というアプローチを行っていたのであれば、ぜひこの機会に手法を見直してみてください。
正しくSNS広告を活用していくことで、想像以上に認知や成果の最大化につながるかもしれません。